『INDEPENDENCE DAY』(2部作)〜不朽の大統領名演説〜
- Tom
- Feb 17
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『INDEPENDENCE DAY』は、1996年に20世紀フォックス映画が配給したSF映画である。監督はローランド・メーリッヒ。また、第2作目『INDEPENDENCE DAY RESURGENCE』は、2006年に同監督・同配映画によって製作された。
(*以下、ネタバレを含む)
<INDEPENDENCE DAY>
地球に謎の物体が襲来し、突如、人類を襲撃し始める。世界の主要都市は壊滅状態に陥り、人類も核を使った反撃を試みるも失敗に終わる。はたして人類はこの絶体絶命のピンチを脱することができるだろうか。
1作目に関しては、ストーリーラインがシンプルであるにもかかわらず、パイロット経験や結婚指輪などの伏線もさりげないところが良い。例えば、3人の子どものダメ親父が最後は自分を犠牲にして地球を守る勇敢さや、2人の主人公の恋愛がさりげなくプロットに入り込んでいる構造だ。謎の物体が徐々に明かされていく展開や、エイリアンの不気味さ、エリア51の政治的秘密までを絡めたストーリーは冗長なシーンを一切葬り去っていて、充実のエンディングを迎えることになる。
そして、何より1作目の見所は、大統領の名演説ではないかと考える。この演説は、窮地に立たせれた人類最終作戦の前に行われたものだ。
演説冒頭の主語を見てみると、最初は”You”であったが、最後の主語は、”We”に変わっている。つまり大統領自身も戦士に含まれていることが分かる。当初、大統領は、避難命令を出す決断のタイミングなどに関して大きな後悔を抱えていた。そして妻であるファーストレディーは瀕死の状態で再会を果たすものの、その直後に亡くなったことが暗示される。この映画では、大統領の、終始決断に悩み、運命に苦しみながら、エイリアンから地球を救うために身を挺して戦っている姿が描写されている。(実際、大統領もパイロットとして総攻撃に参加する。)つまり、この最後の部分が最も感動的なのは、単に韻を踏んでいるからではなく、リーダーシップとは何かを体現し、そして絶望的な状況を前にしての心からの激励であることがからだろう。この映画の「独立記念日」だけではなく、鑑賞者の置かれた境地によって、さまざまな勇気をもらえるだろう。(だからこそ、この名演説は日本語訳ではなく、英語のまま聴く方が感動的だ。)この名演説こそが、この映画のクライマックであり、不朽の名作と言われる所以だろう。
<INDEPENDENCE DAY: RESURGENCE>
舞台は前作のエイリアン大戦から20年後の世界である。人類はエイリアンの残した文明を解明し、次のエイリアンの襲撃に備えて高度な技術を構築していた。しかし、再来したエイリアンの母船はまたしても人類を壊滅の危機に追い込む。
今作では、デービッドや元大統領などが再出演を果たしている一方で、ウィルスミスの出演は見送られているのが残念だ。ストーリーは近未来的になるとともに、CGを駆使した、手に汗握る大戦がメインとなっている。最後は、次回作があるような暗示的な内容で締めくくられていて、今後3部作として完結する可能性もありそうだ。
総じて、SFや大戦者が好きな方には2作目の高評価を得そうであるが、1作目の大統領の名演説が心に響く作品である。
※参考文献
ローランド・メーリッヒ、(1996 7 2)『INDEPENDENCE DAY』20世紀フォックス映画
ローランド・メーリッヒ、(2006 6 24)『INDEPENDENCE DAY: RESURGENCE』20世紀フォックス映画
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